味や風味に優れた22種類の在来種のそば
現在、全国の多くの農場で栽培されているそばの実は、大粒に品種改良された交配種の実ですが、福井県内で栽培されているそばは、それぞれの土地に根付いてきた在来種を今でも栽培しており、福井県内の在来種の数は22種類にのぼります。今でも県全体で在来種の栽培が奨励され、全国随一の在来種のそばの産地となっています。
福井県のそばはインターネットアンケート「そばが美味しい都道府県」で1位に、さらにそば鑑定士が選ぶ「おいしいそば産地大賞2020」でも1位に輝きました。福井県のそばが美味しい理由は、22種類もある在来種のそばと、石臼を利用する製粉方法、そして美しい自然が生み出した美味しい水があります。
現在、全国の多くの農場で栽培されているそばの実は、大粒に品種改良された交配種の実ですが、福井県内で栽培されているそばは、それぞれの土地に根付いてきた在来種を今でも栽培しており、福井県内の在来種の数は22種類にのぼります。今でも県全体で在来種の栽培が奨励され、全国随一の在来種のそばの産地となっています。
福井県の特徴である在来種のそばの実の味と香りを引き出すために、県内の全ての製粉所が石臼によりそば粉を精製しています。熱はそばの風味を飛ばしてしまうため、効率的な機械挽きではなく、石臼で低速でそばの実を挽き、サラサラとして味と香りの濃いそば粉を生み出しています。
福井県のそばの産地は中山間地域が多く、名水にも恵まれていることから、美味しいそばの実が育つといわれています。また、福井県の冬は多くの雪が降り、雪がもたらす清らかな水に恵まれた土地でもあることが、美味しいそばを作り出す由来です。
釜で茹でた後に水でしめたそばに冷たいつゆをかけ、大根おろしにカツオ節・ねぎなどをのせて食べる越前そば。大根おろしは、ピリッと辛い越前辛味大根を使うことで、そばの味や風味を高めてくれます。越前そばが全国的に有名になったのは、昭和23年に昭和天皇が福井に訪れた際に、おろしそばを召し上がって仰った「越前のそばは大変おいしかった」というお言葉に由来しています。近年では、そば粉を使ったガレットやサラダなど、更なるそばの魅力が広がっています。
福井県民の年越しそばは「おろしそば」で、冬でも冷たいそばを食べるのが一般的です。また、結婚式やお祝いの場にもそばが出てくるほど、そばを愛する県民性があります。また、福井県の啓新高校には「そば部」が存在し、手打ちそばの技術を身につけ、「高校生そば打ち選手権大会」で全国大会での上位入賞という目標も持ちながら、日々練習に励んでいます。