国産農林水産物消費拡大特別企画

農林水産省「令和2年度国産農林水産物等販売促進緊急対策事業 品目横断的販売促進緊急対策事業」の支援を受けて運営いたします。

ぐるなびFOODMALL
モニター店舗レポート

東京駒八 別館「お客様に喜んでもらうために、
いい食材を使っても安く提供したい。
だからこのような取り組みはありがたいですね」

駒八 別館店主

JR田町駅から徒歩すぐの慶応仲通り商店街は、昼はランチ営業、夜は飲み屋となり、終日働く人々で賑わいます。この地で40年以上続く「駒八 別館」は、旬の魚介と全国各地の地酒を多く取り揃える老舗居酒屋です。コロナ禍に直面した今、イートインと並行して始めたテイクアウトサービスと本取り組みについて、店長の伊藤千代美さんに話を伺いました。

老舗店にもキャンセルの波が襲う

多くの企業が集まる東京・田町で長年営業している「駒八 別館」。常連客はサラリーマンがメインで仕事終わりの一杯だけでなく、歓送迎会や忘年会など、大人数の集まりにも重宝されており、利用する世代も幅広い。

「通年と同じように、今年も2月の初旬から3月に行う宴会の団体・グループ予約がたくさん入って満席状態でしたよ。ただ2月下旬頃から予約のキャンセルが増え始めて、『都市封鎖の可能性がある』と言われた3月中旬には予約がまったくなくなりました。飛び込みのお客さんも一気に減りましたね」。

企業ではリモートワークが積極的に導入されはじめ、プライベートでも外出や外食を控える動きが強まった4月初旬。営業を続けていても来客が見込めないと判断せざるを得ない状況へ。

「街に人がいないので、どうすることもできませんよ。4/10~5/6までは自粛休業することにしましたが、家賃や給料、固定費はかかる。何か新しいことを始めようというタイミングで本取り組みのことを知って、活用することを決めました」。

駒八 別館内観

販路拡大につながる施策を活かして

ゴールデンウィーク明けの5/7から営業を再開。店内の換気、席幅を広く設ける、アルコール消毒の用意など、自粛休業前から行っていた感染予防対策のほか、コストを抑えるために提供するグランドメニュー数を厳選。さらに、お弁当と家飲み需要に合わせて、全国各地の希少な日本酒の量り売りのほか、お酒に合うおつまみを詰め合わせたテイクアウトサービスもスタート。

「緊急事態宣言が解除されて少しずつですが、街にも店にも人が戻ってきています。ただ、夜の営業はまだまだですよ。外食を控える傾向も続いているし、しばらくはお客様の戻らない苦しい状況が続くはず。これからの売り上げを立てるためにも、そして応援してくださる常連のお客さんに何か還元をするためにも本取り組みをきっかけに黒毛和牛をメインにした贅沢な弁当を用意しました」。

テイクアウトは、発売までに冷めてもおいしさを保てるよう何度も試作を行い、見栄えや食べ応えを考慮して品数やポーションも配慮しなければなりません。そして食材だけではなく包材にかかる費用も大きい。テイクアウトは、イートインよりも手間もコストもかかります。だからこそ、良い食材が低コストで仕入れられることは、テイクアウトメニューのリーズナブルな販売価格の実現に大きな助けとなります。

「上質な食材を使いながらも、お得な価格でお客様に提供できるメニューが作れたのは、とても嬉しいことです」。

駒八 別館弁当

テイクアウトメニューの差別化を図るために

「コロナウイルスの影響がおさまっても、きっとまた冬の時代がやってくるはず。そのため、これからはイートインとテイクアウトのどちらかだけでなく、2本柱でやっていく必要があると思います。テイクアウトを大々的に始めたのが5月からですが、定着させていきたいですね」。

引き続きテイクアウトに注力する中で店が重要視しているのが、商品の高級感とお得感、そして安定した利益を生み出すこと。テイクアウトを始める店舗が増えていく中、歴然とした付加価値があり、手頃な価格であることが購入につながると見込み、お客様のニーズがありテイクアウトではあまりない“美味しい焼き魚”がメインの弁当を検討中。本取り組みを活用すれば、利益も生み出せると考えているそうです。

「テイクアウトって、手間も時間もかかるのに値段は抑えないと買ってもらえない。この取り組みでは、質のいい国産食材が通常よりも安く仕入れられるので、その分、リーズナブルな販売価格を実現したり、告知のチラシ作りや試作にも費用を回すことができ、少しでもおいしくお得に買えるメニューをお客様にお届けできます。店舗を存続させるため、サービスの選択肢を増やすためにも本取り組みが今後も続いてほしいです」。

駒八 別館梱包した弁当

駒八 別館

住所
東京都港区芝5-16-14 石井ビル1~2F
電話番号
03-3452-5883
営業時間
11:30~13:45(LO)、17:00~23:30(LO22:30)、土曜17:00~23:00(LO22:30)
定休日
日曜、祝日
駒八 別館外観

東京FLATTORIA 「テイクアウトでも高品質のものをお出しできますし、
新たな生産者さんを発見できるのも、
この取り組みの魅力ですね」

FLATTORIAシェフ

早稲田通り沿いにあるイタリア料理店「FLATTORIA(フラットリア)」。大通りに面していながら店内の雰囲気は一転、穏やかな時間が流れています。緊急事態宣言が発令されていた期間は、東京都の条例に基づいて短縮営業を継続。この間、お客様の満足度や売上げを維持するためにとった対応、本取り組みの活用方法をシェフの大貫成規さんに教えていただきました。

テイクアウトが持つ可能性を再確認

「FLATTORIA」でいただけるのは、国内で収穫される旬の食材を主役にしたイタリアンです。素材の持ち味を第一に、調理は必要最低限。その丁寧に手作りされる一皿を求めて、地元の食通たちが多く訪れます。

「2月、3月の来客数は例年通りでした。もともと衛生面の対策もしっかりしていて、ゆっくりくつろいでいただけるように席の間隔も広めに設けていたのでお客様も『ここなら安心して来られる』と。緊急事態宣言の発令後は、団体のご予約のキャンセルがあったり、ご年配のお客様が弊店のことを気遣って来店を控えられたりというのはありましたけどね」。

4月以降も前年度と比べて売り上げが大幅に落ち込むことはありませんでした。その理由は、店内の環境が万全だったということだけではありません。緊急事態宣言の発令に伴い、一気に需要が高まったのが“ディナーコースのクオリティが自宅で楽しめる”テイクアウトコース、ホールケーキなどのお持ち帰り商品です。

「介助をしている方、お子さんのいる方など、お店で食事をしたくてもできない常連様のために、数年前から行っていたサービスですが、自粛期間中は特にお祝いの日の食事として多くご注文をいただくようになりました。これを機会にメニュー内容と価格設定を明確にしたのです」。

コロナ禍でテイクアウトのニーズを改めて実感し、ただちにメニューの見直しや期間限定でデリバリーサービスにも挑戦し始めました。

FLATTORIA店内

顧客を広げる新たな試み

イートインの客足が落ち着いている今だからこそできる新しいチャレンジだと思い、手頃な価格のテイクアウトボックスを4月中旬から販売。

「普段お店を利用しない方も購入していただけるように店頭の告知看板、フライヤーの作成、SNSでの告知、新聞広告はすぐに打ちました。メイン料理のとっておき感はもちろん、テイクアウトには珍しいフレッシュな有機野菜のサラダもセットにし、幅広い年代の方にお楽しみいただけています」

また本取り組みを活用して、いつも発注している生産者以外から食材を仕入れて開発したのが「和牛ボックス」です。

「メインのタリアータには、国産和牛の肩ロースをたっぷり150g使用しました。有機野菜のロースト、自家製のフォカッチャ、天使の海老のマリネなど、食材費が抑えられると、贅沢さ、ボリューム感のある仕上がりにすることができます。正直、テイクアウトは販売価格を抑えないと売れません。テイクアウト商品に関していえば、コンビニがライバルなのです。例えば、コンビニで新商品が出ると『自分たちならどう作るか?』を考えています。手間暇かけて工夫はしますが、販売価格にすべてを計上することはできないので、本取り組みのようなお得な価格で食材が購入できるのはありがたいです」。

新型コロナウイルスの影響で培った、イートインとテイクアウトの両輪で経営するというノウハウは、続けるからこそ何かあった時に素早く対応できます。今後もイートインとテイクアウト、どちらかに集中してしまわないようにバランスを見ながら継続させていきたいそうです。

FLATTORIA盛り付け

本取り組みで生産者を支援

大貫さんが、本取り組みに賛同するのにはもうひとつ理由があります。

「レストランで使う食材は、生産者から直接仕入れているものが多いです。そのため、生産者が食材にかけるこだわりや苦労を強く感じています。また、生産者の中には飲食店独自のニーズに対応した食材を作っている方もいて、スーパーマーケットなどに卸すのが難しいものも。生産者の状況や想いを知っているからこそ、飲食店としては営業も食材の仕入れも止めないことが、いつも支えてくれる生産者を応援することに繋がると思っています」。

「飲食店は商圏が限られるので、飽きさせないように食材を変えていくことも大切です。しかし、本取り組みのような機会がないと、通常仕入れている食材以外のものを使うことが少ないので、これをきっかけに新たな食材も探したいと思っています。飲食店ができることは、生産者が丹精込めて作った食材を料理にし、お客様にお届けする“食のバトン”を繋ぐこと。生産者の応援をしながらお客様に食べる楽しみや人生の喜びをお届けできるのは、とてもよい本取り組みだと感じています」。

FLATTORIAメニュー

FLATTORIA

住所
東京都新宿区高田馬場1-25-30
電話番号
03-3205-9182
営業時間
11:30〜14:30、16:00〜23:00、日曜11:30〜14:30、16:00〜22:00
定休日
月曜(祝日の場合は営業、翌火曜のランチは休み)
FLATTORIA外観
「農林水産物の販路の
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