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掲載期間 [2016.7.29〜8.30]

玄界灘をはじめ九州で獲れた新鮮魚を目利き。職人のこだわりがつまった新鮮・無添加・手作りの天日干し“ひもの”

大牟田市は、九州の中部に位置し、西は有明海に面していて、風光明媚な土地です。代々、漁業や魚を扱う仕事に関わり、“新鮮”で“安心・安全”な天日干し干物を丁寧に作り続けている”ひもの大嶋屋さん”を取材しました。地元の方に愛され、遠方からも客足が途絶えない絶品干物のこだわりとはー。

“ひもの大嶋屋”を始めたきっかけを教えて下さい。

この仕事を始めたのは26歳の時で、今年で54歳になります。独立してからは28年、父の代から数えたら創業45年です。元々、父親が青果市場で働いていて、卸しや干物商売は父親の代からちょくちょくやっていました。うちの家系をたどると山口・長門でくじらの網元や鹿児島で漁師をしていた親戚もいたりと、代々、漁業や魚を扱う仕事に関わっていました。切っても切れない何かがあるんじゃないかなと思っています。高校を出てすぐに福岡の魚市場で働き始めて、3年後に地元に戻ってきました。いわゆる修行期間ですね。それからは約1年、市場で卸し業を行っていた父親にいろいろと教わりながら仕事を手伝いました。ちょうどその頃、隣町に大型スーパーがオープンして、テナントとして出店のお誘いがありました。それが独立開業のタイミングで、手作りの干物専門としての小売りをスタートしました。これまで祖父たちの仕事を見て育ってきたので出来たんだと思います。いきなり「干物屋になろう!」って始めたわけじゃないんですよ。笑。ただ時代が変われば生活スタイル、味の好みも少しずつ変わっていくから、昔ながらのやり方を残しつつ、自分なりの工夫を凝らしながら現代の人の口に合う干物をつくっていきました。味なんかね、最近の物に比べたら昔の干物は塩辛かったんですよ。美味しさを変えず塩を減らしてみたり、原料である魚の鮮度にもこだわったりと試行錯誤しました。うちの干物は、刺身にするような新鮮な魚を使っているんですよ。

これこそ“ひもの大嶋屋ブランド”といえる、干物を作る上でのこだわりは?

やっぱり魚の鮮度です。鮮度が一番。見極めるポイントのひとつに“色”があって、赤い魚ならその赤の濃さを見ます。あとは目の色の美しさ、それからサイズですね。干物に適したサイズを選ぶことです。取り扱っている魚は季節にもよりますが10種程度で、40年来の友人でもある信頼のおける問屋から毎朝仕入れています。新鮮な魚をすぐに加工する。また、味の決め手を左右する“塩”にもこだわっています。15年前から変わらず使っているのが、岩塩をミネラル豊富な大分県で採取された石(天降石)で濾過した水で溶かし、再び固めたこだわりの塩なんです。これだと魚が酸化しにくくて、鮮度が落ちにくいんですよ。それから魚の種類や季節によって変わる天日干しの時間配分。美味しい干物には、白い膜ができるんですね。アミノ酸が凝縮して旨み成分が増しますから、その見極めが重要です。あと愛情ですね。笑。

天日干し干物はどのように作っているんですか?

毎朝5時に魚市場に出向いて、その日獲れた魚で干物に合う物を仕入れます。その後すぐに加工場に持ち帰って、まずは全ての魚を捌き、開く工程から始めます。2人で作業して、1時間半くらいかかりますね。
魚を捌いたら、薄塩水に漬ける。種類によって漬け込む時間、塩の濃さは変えています。身の厚さによっても変えます。青魚なら長めに漬けて、白魚なら短めに、といった感じですね。これはもう長年の経験と感ですが、漬け込み時間や味の濃さを調整していきます。
漬け込み作業が終わったら加工場の屋上で天日干しします。その日の天候や気温、また魚の種類に合わせて干し時間も変えるんです。例えばアジなら、この季節(夏)は1時間半~2時間くらいかな。冬場なら丸1日。それ以上だと油が浮いてくる。水分が抜けすぎると油が浮いてきて風味が落ちてしまうんです。

干物づくりにおいて大変なことを教えて下さい。

魚の加工は1枚1枚手開きで、内臓を取り出し、隅々まで綺麗にしますので、非常に手間がかかります。
それから天候にものすごく左右される。天日干しの作業でも気温や天候で干す時間が変わります。この魚なら何時間と予め決まっているわけではないので、その日、その時の状況で判断しなければなりません。雨が続けば干せないし、そうすると作りたてを出荷できなくなる。天日干しという製法にこだわっているのでその点は妥協できないので、日々闘いですね。

今後の夢、展望について教えて下さい。

ひもの大嶋屋の天日干しひものを海外へ展開することです。特に今は中国ですね。海外でもうちの商品が欲しいという方がたくさんいるんです。少しずつルートを確立して、中国での販売を開始したいと考えています。

博多FARMERS’MARKETのお客様へメッセージをお願いします。

新鮮で美味しい、無添加で安心・安全な干物を愛情込めてつくっています。ぜひ一度食べてみて下さい!

加藤 恵 加藤 恵(かとう めぐみ) 大分県出身
博多ファーマーズマーケット編集部ディレクター。
趣味は美味しいお店めぐり。
魚と日本酒好き。
博多ファーマーズマーケット編集部

早朝5時30分。西鉄柳川駅でひもの大嶋屋のご主人・大嶋さんと待ち合わせ。そこから車を走らせて、人生初の“競り”に参加すべく、福岡県で3番目の規模を誇る“筑後中部魚市場”へと向かいました。朝5時30分でも魚市場ではすでに後半組。毎日4時には始まっているのだそうです。到着してすぐに、長靴へ履き替え、いざ場内へー。大量の魚と競りに訪れた人、場内で競りを仕切る人の声が響き渡り、魚市場はものすごい活気に満ちていました。場内に入ると、大嶋さんの40年来のご友人であり、ひもの大嶋屋の“魚の目利き師”でもある中田さんをご紹介いただきました。ひもの大嶋屋を創業して以来、毎朝、大嶋さんのために魚を10種類ほど目利きし、仕入れに協力しているのだそうです。学生時代は大嶋さんの後輩にあたる中田さん。魚を見る目は先輩よりも厳しく、「僕が魚を見て良いと判断しても、コレはダメだと言って、買わせてもらえないこともあります。笑。それぐらい厳しいんですよ。」と笑う大嶋さん。信頼関係で選ぶ、鮮度の良い魚こそがひもの大嶋屋の”美味しさ”の秘訣だと感じました。
仕入れた魚を持ち帰り、加工場へー。生で食べて美味しい魚を加工場で丁寧に1枚1枚捌く工程では、獲れたてのイカをその場でお刺身にして、ご馳走いただきました!扱っている魚は、本当に新鮮そのままで、失礼ながら「このまま刺身で食べたい!」と思える魚ばかりです。
材料を捌いた後は、塩水への漬け込み、その後に天日干し。一通りの工程を見させていただきましたが、どの工程においてもとても丁寧な職人の仕事がきらりと光ります。取材の時に遊びに来ていた可愛いお孫さんは「おじいちゃんの干物は世界一美味しい!」と言っていつも食べてくれるそうで、それが何よりも美味しい干物づくりの励みになっていると感じました。新鮮・無添加にこだわり、1つ1つ丹精込めて作られた天日干し干物をぜひ一度食べてみてください。

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