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掲載期間 [2016.8.31〜9.26]

福岡市早良区ひろきゆうき農場 結城 大樹さん

福岡県福岡市早良区は、北は博多湾に面し、南は脊振山地(せふりさんち)で佐賀県と接した地域。そこで、土地や環境そして、自身と向き合う生活スタイルを探し続けている、ひろきゆうき農場さんに訪問してきました。

農家になったきっかけを教えてください。

10年ほど前に、友人がワーキングホリデーでオーストラリアに行った際、現地の食べ物や自然環境がすばらしく、関心が高まったという話を聞いて、興味を持ったのがきっかけです。それまで自分が食べているものになんて興味すらなかったのですが…調べていくうちに食べ物から農業、自然農法という風にどんどん興味が沸いていきました。それまでは、全く違う職業に就いていたのですが、数年後、間もなくして今の妻と出会い、彼女の実家が専業農家だったことも農家になることを決意した理由のひとつです。
始めた頃は、自然農法を行っていました。

有機無農薬栽培を始めた経緯を教えてください。

初めは自然農法で有名な方を尋ねるなどして勉強しました。でも、実際は憧れとは違って本当に大変で…(笑)
手間がかかりすぎる割りに儲けが出せない、技術的にも始めたばかりの私には難しく…苦労しました。
そのため、無理せず自分にあったやり方を探しながら、肥料づくりも行うようなりました。米ぬかなど、有機物を微生物で発酵させてつくるボカシにたどり着き、そうすることで、収量も上がり有機栽培を行えるようになりました。6年ほど前から有機栽培に変えていき、ようやく形になってきたところですが、もっと良い方法がないか、良い物ができないか、今も模索しています。 

有機栽培を行うにあたって、こだわっていることを教えてください。

まず、肥料です。全て植物性で、近くで剪定枝をチップにしている場所があるのですが、チップと米ぬかを合わせて発酵させています。鶏糞を使う時もありますが、なるべく植物性のものを使うようにしています。
また、種にもF1や固定種など種類がいろいろあって、市場に求められている色形がちゃんとできるのがF1です。但し、一代で終わってしまい、その次から栽培しようとしても全く同じ作物っていうのができないからまた種を買わなくてはいけなく、自家採取ができない。だから固定種にこだわっています。専門家が選別した、きちんとした環境で適切に採取された種で、品質にバラつきがないんですよ。
親から子、子から孫へと形質が固定されている、といった感じですかね。

作っている生産物について教えてください。

今育てている野菜は約14種ですね。米、ナス、トマト、ピーマン、みょうが、つるむらさき、パセリ、モロヘイヤ、里芋、さつまいも、菊芋、とうがらし、とうもろこし、セロリです。
中でも主力は米で、うちは野菜より米の収穫がはるかに多いです。米消費が激減しているこの時代に、米を作らなくてもいいと思っていましたが、この地域の米を食べてみたら本当に美味しかった。寒暖差と水の冷たさが鍵になっていると思うのですが、お米は環境です。

野菜はどんなところに販売していますか?

個人経営の飲食店、あとは一般のお宅ですね。欲しい分だけ、直接うちへ取りに来ていただいています(笑) スーパーによくあるビニールとか、パックとかの包装も極力減らしたくて、カゴも持参してもらう スタイルです。

お客様からの声や感想があれば教えてください。

野菜嫌いのお子さんがいるご家庭に購入いただいた時、「これまで食べなかったのにゆうきさんのネギなら子供が美味しいと言って食べた」という意見をいただいた時は嬉しかったですね。あとは孫や息子夫婦への贈り物として、うちの米をご購入いただくこともよくあります。自分なりの一番の方法で最高においしい物を届けたい、おいしさを追求したい、その一心で作っているので、お客さんからのそんな一言は本当に うれしいですね。

今後の展望・夢について教えてください。

“日本一、人に喜ばれる有機農家になること”です。一人のお客さんに気に入ってもらえたら、もっともっとその人を喜ばせたい、もっともっと美味しさで笑顔になってもらいたいんですよ。そういった意味でも、飲食店さんとのコラボレーションはやってみたいですね。うちの野菜と、お店のテイスト・イメージを合わせて商品やメニューが生まれたらとても嬉しいですし、そうしてお客さんに味わってもらえたら反応が伺える。そんな在り方、繋がり方が理想だと思っています。また、今後はインターネットでも販売していこうと考えています。知る人ぞ知るお米、野菜といった感じですかね(笑)

博多FARMERS’MARKETのお客様へメッセージをお願いします。

博多ファーマーズマーケットでのお客様との出会い、会話は本当に貴重で、お立ち寄りいただいた全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです!9月は野菜でいうとナスがオススメです。数種類ありますが、生で食べられる「黒十全(くろじゅうぜん)」がすごくおいしいです。丸いナスは生で食べられ、醤油や鰹節などをかけていただきます。また、チクヨウ、長ナスですね。これは焼きなすにオススメです。 食べたいものがあれば僕も挑戦したいので、野菜のリクエストをしに来てください(笑)

川久保 篤(かわくぼ あつし) 川久保 篤(かわくぼ あつし) 長崎県出身
博多ファーマーズマーケット編集部ディレクター。
博多FM立ち上げメンバー。
その他、全国でマルシェイベントを実施。
博多ファーマーズマーケット編集部

9時30分、博多南駅で結城さんと待ち合わせ。そこから30分ほど車を走らせると、福岡市 早良区脇山のひろきゆうき農場さんの圃場に到着。さっきまで博多駅にいたとは思えないほど、自然豊かな場所でした。
ひろきゆうき農場という屋号の意味は、『ゆうき』が『勇気』をもって『有機』栽培というシャレが効いていて(笑)。結婚前より「有機」農法に興味があり、婿養子として入籍後、苗字が「ゆうき」になったことに加え、自身に「勇気」がなかったことなど図らずとも重なった3つの「ゆうき」をもってこの屋号を掲げたのだそうです。 寒暖差が激しく、水が綺麗なこの地域は、昔から“瑞々しい美味いお米”ができることで知られ、昭和天皇即位の際の献上米をつくった地域なんだそうです。元々まったく農業とは縁がなく、結城さんの友人がワーキングホリデーでオーストラリアに行った際に、現地の食への意識の高さと自然環境のすばらしさに感動した話を聞いて、結城さん自身の食に対する意識が180度変わったそう。無理のない範囲で自然農法を実施し、敏感な赤ちゃんでも食べられるものづくり、みんながHAPPYになれる有機栽培を目標にしている結城さんは静かにゆっくり語りながらも、秘めた情熱を感じる本当に“熱い男”でした。
取材が終わった後には、結城さんのステキな奥さまが、おいしいお米で“かしわ飯”をつくってくださり、3つずつ持たせてくれました。それがもう、美味しくて美味しくて!帰りの車の中でも、自身の農業の話や熱い想いを語る結城さん。今度はお酒を飲みながら、ゆっくりとお話ししたい!

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